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「意識」「心」「記憶」を調整するモジュレータ神経群

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林成之氏によれば、「意識」には「外意識」と「内意識」の 2 種類ある、と解説しています。概要は、投稿記事「勝負脳:2 つの意識、「外意識」と「内意識」」としても公開しています。これらの意識と密接な関係があるのが、ドーパミン系神経としています。

林成之著「勝負脳の鍛え方」 (講談社現代新書:2006年10月)において、以下のように記述されています。

ドーパミン系神経は、意識(内意識)によってもたらされる刺激や情報によって、何かを思ったり感じたりするという働きをしている。人間の「心」と呼ばれるものは、このとき発生しているのであり、具体的には、脳の中の海馬回をはじめとするドーパミン系神経群[*1]が「心」の生まれる場所なのだ。(p.24)

上記の記述の中に出てきた「海馬回」は、一昔前ちょっとした流行のように語られていた言葉ですが、私はまったく興味がなく、知識がありませんのでちょっとここで覚書を示しておきましょう。

脳の中でドーパミン神経伝達物質を多く使うものには、記憶を司る海馬回(かいばかい)と、喜怒哀楽の中枢である扁桃核(へんとうかく)があります。(p.21)

上記から、海馬回とは記憶を司っている!「意識」、「心」、「記憶」は、海馬回でつながっていて、それぞれが連動しながら機能している、としています。海馬回をはじめとするドーパミン系神経群には、こうした三者を調整する機能を果たす神経群が存在し、それをモジュレータ神経群と呼ぶことにする、としています。モジュレータ神経群の存在は、林成之氏が独自に「モジュレータ理論」と名付けて世に出している、ということです。

強い心を手に入れるためには、意識や記憶を無視することはできないし、記憶を増強したければ、心や意識を無視することができない、ということに結論付けられます。こうしたことは、脳科学を勉強する以前には、皆目見当もつかないことでした。

記憶は、人間の脳が持っているさまざまな知能の根本となるものです。人間は記憶をもとにものを考え、判断し、表現しています。その記憶が心と連動しているといことは、とりもなおさず、人間の知能が心と連動しているということになります。(p.26)

ここまで表現すると、人間が物事に優れた実力を発揮するためには、意識、心、そして記憶を強化する必要がありそうだということになりませんか。少なくとも私個人としては、この内容は衝撃的でした・・・

私は、スポーツの世界で言われている「心・技・体」だけでは、限界があるという自論を持っていますので、上記から「心・技・体・知」として知能を加えたいと考えます。実は、更に進化させて、「心・技・体・知・流」の 5 つにしたいと考えていますが、このことは後日に譲りたいと思います。

脚注 [*1]
モジュレータ神経群は、即ちドーパミン神経群になるのですが、以下の 7 つを指しています。

  1. 海馬回(かいばかい)
  2. 扁桃核(へんとうかく)
  3. 視床下部(ししょうかぶ)
  4. 側坐核(そくざかく)
  5. 尾状核(びじょうかく)
  6. 嗅結節(きゅうけつせつ)
  7. 前頭連合野(ぜんとうれんごうや)

これらの神経群は、ドーパミン A10 神経群とも呼ばれているそうですが、わざわざモジュレータ神経群と定義する意味がぼやけてしまいましたが、まずは上記の神経群を記憶することが重要なようです。詳細に関しては、後日、記述するとしましょう。



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コメント:2個

  1. papiyonより、 2007年10月14日:

    私もこの本を読んで、「心・技・体」ではなく、「脳・技・体」だと思いました。そして、心も体も動かすには脳が働いている。技を作るのも脳が働いている。
    すべて、脳が支配している事になるのだと改めて思い知らされました。

  2. Chaより、 2007年10月14日:

    知能の「知」、そして試合の流れのような「流」を加えました!以前から、心・技・体だけでは試合には勝てない、とバスケのコーチからいわれていて、「知」は以前から考えていたんですよね~それにしても「脳」って凄いですよね!

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