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「2008年05月05日」のアーカイブ

「海外勤務には TOEIC で 800 点が必要」って本当ですか!?

海外出張が終わって、帰国すると同時にとても興味深いニュースが飛び込んできました。「@IT::海外勤務にはTOEICで800点が必要」というのがそれ。

ちょっと気になる部分を抜粋すると・・・

「日本人が国際交渉を第一線で行うのに必要な英語力」を得るために必要だと思う TOEIC の得点を聞いたところ、母数 7294 人のうちの 20% が「900 点以上」が必要と回答した。「750 点以上」が必要だと考えている人は全体の 90%。全体的に、自身が実際に取得している点数では、実践的に必要なレベルに到達していないと考えられていることが分かった。これを受けて寺内氏は、「日本人が国際交渉を第一線で行うには、最低でも、TOEIC 換算で 800 点は必要である」と提言した。

これって、本当ですか!?

私は、TOEIC で 800 点や 900 点以上とっていてもまったく国際交渉で通用しない方々を見てきたし、逆に 550 点程度でも十分に国際交渉ができる方々もたくさん見てきました。

今回、私が海外出張したのは、アメリカとメキシコ。日本に本社を置くお客様のビジネス改革を各国の子会社に伝え、さらに各国の要望を聞いて、あまりにも日本の意向と違う場合は、修正することを要求し、各国の要求がもっともだ、と感じられる内容であれば、日本へその要望を持ち帰ることが任務です。

私は、日本人の国際交渉ができないという問題点は、英語力というよりも、日本人特有の「曖昧な表現と意思決定」である、と信じていて、決して英語力の問題ではないと日ごろから感じています。

たとえば、ビジネス上の交渉において、「Do you agree?」と聞かれて、Yes も No も表現しない。英語ができて、相手の言い分が 100% 理解できても、この類の質問に Yes も No も言わない・・・ひどくなると、「Yes and No」なんて回答する・・・これでは、相手にされません。

英語では、ほとんどが Yes と No の世界です。従って、2 極化の意思決定がどうしても必要になります。英語ができても、そうした回答に合致しなければ、英語での交渉は無理なのです。

実は、私の経験からすると、英語がしゃべれる人ほど、英語での国際交渉の時に、Yes と No をいわないケースが多いように感じます。まずは、詳細に説明を始めてしまいます。まずは、Yes や No を回答しないと、いくら流暢に説明を英語で実践しても・・・

「He/She does not answer for my question.」

なんてことになるわけです。英語は、正確である必要はありません!通じること。しかも、英語圏の文化に合わせて通じることが重要です。

日本において、Yes/No の 2 極化したビジネスは嫌われ易い。もっと検討したほうが良い、ってなことになるわけです。そこで、まずは、英語でのビジネスでは、Yes/No に対応するために、以下のような対応に心掛けるようにするとちょっとは良くなるかも。

  • My answer is currently “Yes.” However, I would like to think a little bit more to provide final answer.
  • No, I disagree because …
  • I agree with you personally. However, I have to ask my boss.
  • To provide my answer, I need to think more.

英語が正しいかどうかは問題ではありません。上記の回答は、まずは回答をだす。そしてもう一つ。全て「私」の意見です。会社の代表として交渉するのですが、海外では「私」がどう考えているかを表現することが重要です。そして、まずは結論を言うこと。

これができるようになれば、TOEIC で 900 点なんて必要ないと思うのですが。まずは、Mind を海外仕様にすること。これが何といっても重要です。