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カテゴリー:「戯言:スポーツ」に関するアーカイブ

戯言の中で、スポーツに特化した投稿記事。

日本人の伝統的な歩行法、「ナンバ」

私の身体は頭がいい (文春文庫 う 19-2)昨日、テレビ朝日の深夜番組、「Get Sport」をみていると、シアトルマリナーズの城島健司選手が登場して、バッティングの終わりなき追及に関してのインタビューがありました。2003 年の「コマ理論」や 2005 年の「でんでん太鼓理論」も面白かったのですが、最近では、「ナンバ」に関する説明がありました。

城島選手が、「武道の世界では常識となっているナンバですが、テニスでもそのナンバが応用されている」といって、シャラポワ選手が登場して、彼女のパワーストロークが、「ナンバ」スタイルだとされていて、とても驚きました!

「ナンバ」に関しては、本ブログでも投稿記事、「古武術に再注目:ナンバ走り」として公開しているし、最近読了した文庫本、内田樹著「私の身体は頭がいい」(文春文庫:2007年9月)でも扱っています。

「ナンバ」とは、歩くときに、同じ側の手足を出す歩行法で、いまでも相撲や能楽にみることができる。明治になって西洋風の歩行法が導入されるまで、日本人はずっとそのようにして歩いてきた。(p.139)

更に、内田樹氏の解説では、以下のような解説がありとても興味深い。

あらゆる文化的集団はそれぞれ固有の身体を有しており、それぞれ固有の「民族的」奇習に従って、自分の身体を知覚し、操作している。身体運用の「文法」や「語彙」は歴史的、地理的な差異に対応して変化する。(p.138)

即ち、「ナンバ」とは、日本特有の歴史的、地理的差異に対応して変化した原型である、としているわけです。よって、「ナンバ」は、日本人特有の歩行法で日本人に最も適している、としているわけです。

「武道」の考え方は、最近再度注目されているようですが、こうした「ナンバ」も適用することで、実績を積んできているようですから、今後も更に注目すべき内容である、と感じています。

日本のハンドボール界に何のメリットがあったのか!?

アジアハンドボール協会は、ハンドボール北京五輪の男女予選に参加した韓国と日本に処罰を科す、と宣言していますね。更に、本日の報道番組をみていたら、「韓国が男女共に勝った。開催した日本にとって何のメリットがあったのか」と意見するアジアハンドボール協会の発言がありました。

私は、ハンドボールの世界に関してまったく無知に近いのですが、この一連の日本の行動は、ハンドボールというか、軟弱になりつつある日本人の心に渇を入れてくれている、と考えています。

アジアハンドボール協会の臨時総会に、たった一人出向いていった渡辺佳英日本ハンドボール協会会長の姿は、本当に絶賛できる・・・まるで、死を覚悟して正義を貫く武士のようです。

アラブの日本人には到底理解できないターバンを付けた大男の中に、日本人一人で乗り込む。しかも、出される結果は解りきっている・・・こんな日本人が、最近にいましたか?日本ハンドボールのために、そしてアジアのハンドボールを正当化するために、たった一人で乗り込んだ!

前評判は、男女共に「韓国有利」でした。それでも、日本開催で引き受け、韓国に敗戦しても韓国の強さを絶賛し、「ルールに基づいたハンドボールのゲームをして負けた・・・自然と涙が出てきます」という日本人の心意気。これが、世界に自慢できる日本の文化なのです。

個人的には、「中東へ乗り込み、正々堂々の主張をして、勝ち負けよりも公平な試合展開」を主張した誇り高き日本人の姿を再認識することができただけでも、今回の再試合は意味があった!

こうした文化は、中東諸国の勝つためには手段を選ばない人達に解ってたまるか!

木人花鳥(もくじんかちょう):形稽古の重要性

私の身体は頭がいい (文春文庫 う 19-2)文庫本、内田樹著「私の身体は頭がいい」(文春文庫:2007年9月)は、基本は武道に関しての記述だと思いますが、あまりにもスポーツに共通の事項が多く、またとても興味深い内容が随所に記述されています。

木人花鳥、「もくじんかちょう」と読むそうですが、木人とは、木で作った人形のことで、今風に言うとロボットだそうで、木人花鳥とは、「心をもたないロボットのように花や鳥を見ろ (同書:p.151)」という意味らしい。

その昔、武道の究極の姿は、「勝ち負け」より「生きるか死ぬか」の戦いだった。そうした戦いで、あまりの恐怖心や不安感で身体能力に影響がでて、「死」に至ってはいけない。そこで、「心」と「体」を切り離して、戦いに臨むことができれば、無駄な死を迎えなくて良い。

即ち、緊張や不安などのために、本来の運動能力を損なわないように、「心」と「体」を切り離す練習が必要、ということらしいのです。「心」無くして「体」が動く・・・これが、武道の本来の姿らしいのです。

そして、その練習の一つが、「形稽古」だといっています。空手や柔道でも「形稽古」ってありますよね!実は、バスケットボールや他のボールゲームでも似たような練習があります。それは、フォーメーションの練習。

形稽古は、「心理的には反応せず」しかし「身体的には反応する」という木人的な動きを身体に刷り込んでゆくために工夫された身体訓練法である。(中略)形稽古の目的は、心理的負荷をゼロにしておいて、身体的な反応速度の縮減だけに 100% 集中すること。(p.156 -157)

上記のような「形稽古」の記述の後に、フォーメーションのことも記述されています。個人で自由にプレーするよりも、組織的に(チームで)決められたフォーメーションで動いたほうが、返ってランダムな動き、即ち相手の意表をつく動きとなる、としています。

私のバスケットボールの経験からも、苦労して攻めている対戦相手に対して、自分達にとっては、ごく当たり前のフォーメーションが意図も簡単に決まりだし、あっという間に大差をつけることができたという経験が。

それにしてもフォーメーションの練習は退屈で、更には面白くなかった記憶があります。何百回、何万回も同じ事を繰り返すのですから・・・「自由にやらせてよ」と良く考えたものです。

「形稽古」の主目的を理解していたら、もうちょっと理解も速かったのでしょうけど・・・「形稽古」や「フォーメーション」の意義をきちっと理解させる、または理解することが重要かもしれませんね!

ハンドボールはメジャー化できるか!?

異例のやり直しとなったハンドボール北京五輪の男女予選。残念ながら女子、男子共に日本の力及ばず、韓国の勝利という結果でした。アウェイという状況の中で、僅差といわれても勝利をおさめた韓国チームに拍手を送りたいと思います。

「毎日jp::ハンドボール:観客1万余…両チームサポーターも「活躍」」に以下のように示されています。

中東諸国に有利な判定を下す「中東の笛」で不本意な試合を続けた両国の共通する願いは、フェアプレーの実現だった。試合後、両国選手は固く握手を交わした。

これで、「中東の笛」が無く開催されたこのハンドボール予選は、いろいろな意味で意義がある第 2 次的効果をもたらしそうな気配を感じさせます。日本男子のキャプテン中川善雄選手は、ハンドボールをメジャー化することに夢を掛けているそうです。「毎日jp::ハンドボール:中川主将、メジャー化に挑戦…二つの夢追う」には以下のような記述があります。

1 万人を超えたスタンドは青い T シャツ姿が目立った。中川選手が競技普及を目的に設立した NPO 法人「シュータススポーツラボラトリ」(埼玉県越谷市)が作製した。北京への道が一度は絶たれた昨年 9 月のアジア予選(愛知県豊田市)の悔いを次につなげるために「忘れない」と記した。共感の輪は広がり、2000 枚以上が売れた。「この熱気が、ハンドボールがマイナーから脱するきっかけになれば」と中川選手。20年ぶりの五輪出場権獲得は持ち越しになったが、競技普及というもう一つの夢は広がった。

さて、個人的には、ハンドボールがメジャー化するためには、大きく 2 つの課題があるように感じました。

1 つめはルールの複雑さ。小学生や中学生でも体育の時間で経験しているバスケットボールでさえ、ルールが難しい、と単純な観戦を敬遠する方々が多いのですが、ハンドボールは、バスケットボールよりも複雑に感じました。特に、反則の種類が解らない・・・バスケットボールの場合、対戦相手を掴んだり、抱きついたり、勿論叩いたりしたら反則ですが、ハンドボールは、そうでもないらしい!2 分間の退場というペナルティーもあるわけですから、明確にルールの説明をして、解説して頂かないと、人気は一過性で終わってしまう。

もう一つは戦略の立て方。時間の経過は、タイマーが止まったり、まったく止まらなかったり・・・時間は、戦略には関係ないのでしょうか。ルールと関係しているのかもしれませんが、戦略の立て方は、知っておきたいですね。単なる派手なプレーなのか、それとも戦略なのか。ディフェンスは、ゾーンもあればマンツーマンもありそうな気配ですが、ちっとも解りませんでした・・・

メジャー化するためには、最低でも上記の 2 点が明確にならないと、ハンドボールの面白さが伝わらないと思いますが・・・話題先行の気配から是非ともメジャーに成長して欲しいものですね!

内田樹氏、私の身体は頭がいい:ミラーニューロン

私の身体は頭がいい (文春文庫 う 19-2)以前本ブログで公開した投稿記事、「新運動理論」でリストした文庫である内田樹著「私の身体は頭がいい」(文春文庫:2007年9月)を書店で見つけたので購入。読了までは、もう少々時間が掛りそうですが・・・なぜなら、何度か主張してきましたが、私は短編の寄せ集めの本は苦手なので、この文庫もそうした短編の寄せ集めでしたので。

最近!?「大学入試「現代文頻出著者」ランキング!?」第 2 位の内田樹氏の執筆ということで、かなり期待していました。そして、その理論武装は流石だな、と感じた文庫でした。

この本、序盤で「武道とミラーニューロン」と題した短編があって、脳科学の観点からの内容が掲載されていました。これには、ちょっと感動!

ミラーニューロンの働き
「何か」が動くのを見ていると、見ている人間の脳の中では必ずその動作にかかわる神経細胞が活性化する。(p.23)

このミラーニューロンによって何がどのように素晴らしいのかが解らなかったが・・・ただ、全ての学問的な見地から武道を分析されていることは、ひしひしと感じられる文庫本です。

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