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運動を覚える記憶のメカニズム

Posted By Cha On 2007年11月21日 @ 11:32 am In 脳科学 | No Comments

面白いウェブページを発見しました。[1] 「RIKEN BSI NEWS No.31」というページですが、そこに運動を覚える記憶に関する簡単な記述がありました。

脳の最も重要な役割のひとつである「記憶」。記憶の種類は、「事柄を覚える記憶」と「技(運動)を覚える記憶」の大きく二つに分けられる。

「事柄を覚える記憶」は、大脳や海馬のシナプスが長期間、信号を通りやすくする「長期増強 (LTP[*1])」によって実現するのに対し、「技を覚える記憶」は小脳のシナプスが信号を通りにくくする「長期抑圧 (LTD[*2])」によって行われる。

確かに、これまで読了した脳科学に関する新書、文庫本では大脳を扱っていて、小脳に関しての記述はあまりありませんでした。ちなみに LTP は、池谷裕二氏が発見し、LTD はやはり日本の[2] 伊藤正男氏が発見したそうですから、今まで知識から日本の「脳科学」の研究が世界でも最先端をいっている、ということができるのでしょうか。

さて、上記のページでは、「“技の記憶”がどのようなメカニズムで形成されて、それがどう蓄えられ、どう使われるかというのは、脳研究の中でも非常に重要な大切なテーマ」だそうで、世界中で多くの研究者が同じ研究をしる、と説明されています。

また、運動の記憶に関しては以下の 2 つの記憶をリストしています。

  • 数時間程度の練習で生じる「短期運動学習」の記憶
  • 数日間レベルの練習で生じる「長期運動学習」の記憶

記憶と学習に関しては、常に脳科学の文献では語られていますから、もう少々詳細な勉強が必要なんでしょうね・・・

脚注:[*1]:LTP: Long-Term Potentiation
脚注:[*2]:LTD: Long-Term Depression

[3] 小脳をウィキペディアで調べてみると、上記に関連した以下のような説明かありました。

  • 前庭小脳:身体平衡と眼球運動を調節する。
  • 脊髄小脳:体幹と四肢の運動を制御する。
  • 大脳小脳:運動の計画と感覚情報の評価を行う。

大脳と共に、小脳に関しても勉強したくなってくる!


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URL to article: http://www.nakui.biz/index.php/2007/11/21/262

URLs in this post:
[1] 「RIKEN BSI NEWS No.31」: http://www.brain.riken.jp/bsi-news/bsinews31/no31/interview1.html
[2] 伊藤正男氏: http://www.brh.co.jp/s_library/j_site/scientistweb/no27/index.html
[3] 小脳をウィキペディア: http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E8%84%B3

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